消防施設工事業について

消防施設工事業についてです。

消防施設工事業の建設業許可取得率は高くありません。

29業種ある建設業許可の内、消防施設工事業の取得率は26番目です。

国土交通省で建設業許可事務ガイドラインが作成されています。

建設業許可事務ガイドラインでは、消防施設工事業について以下のように示しています。

消防施設工事の内容

火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事

消防施設工事の例示

屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体又は粉末による消火設備工事、屋外消火栓設置工事、動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋又は排煙設備の設置工事

建設工事の区分の考え方

  • 「金属製避難はしご」とは、火災時等にのみ使用する組立式のはしごであり、ビルの外壁に固定された避難階段等はこれに該当しない。したがって、このような固定された避難階段を設置する工事は『消防施設工事』ではなく、建築物の躯体の一部の工事として『建築一式工事』又は『鋼構造物工事』に該当する。
  • 『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等と重複するものもあるが、これらについては原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事の方に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当する。

建設工事の区分の考え方でも示されていますが、他の工事や、他の工事の附帯工事として消防施設工事が施工されている可能性もあります。

他の業種の附帯工事で消防施設工事を施工する場合、請負金額に注意が必要です。

請負金額によっては、附帯工事であっても、消防施設工事業の専任技術者が必要です。

専任技術者の確保が難しい場合は、消防施設工事については、建設業許可を有する事業者に下請けに出すなどの対応が求められます。

消防施設工事の略号

宮崎県の建設業許可業者名簿や、建設業許可申請時には、消防施設工事業の略号として「消」が使用されます。

経営業務の管理責任者

業種を問わず、建設業における経営業務の管理経験が5年ないし6年以上あれば、消防施設工事業の経営業務の管理責任者になれます。

専任技術者

消防施設工事業の建設業許可を受けようとする営業所ごとに、専任技術者の配置が必要です。

同一の専任技術者(人物)が、複数の営業所の兼任はできません。

同一営業所内であれば、消防施設工事業の専任技術者が他の業種の専任技術者と兼任する事は可能です。

一般建設業許可の場合

消防施設工事業の専任技術者になれる資格には、主に以下があります。

消防法(昭和23年法律第186号)による甲種消防設備士免状又は乙種消防設備士免状の交付を受けた者

実務経験で専任技術者を配置する場合

他の業種と建設業許可と同様に、実務経験で専任技術者になる事は可能です。

実務経験で専任技術者を配置する場合は注意が必要です。

消防法第17条の5により、消防施設工事の施工には、一部の工事を除き、消防設備士が必要です。

結局、消防設備士がいないと消防施設工事はできません。

消防施設工事業の動向について

消防施設工事業の動向を、建設業許可業者数や完成工事高の推移でみてみます。

消防施設工事業の建設業許可業者数について

消防施設工事業の建設業許可業者数は、若干ながら減少しています。

平成12年3月末時点の16,013業者から、平成31年3月末時点で15,264業者数となっています。

減少率は4.7%です。

ただ続落している訳ではありません。

平成25年3月末時点で1万5千業者を若干割り込み、14,925業者数でした。

その後の消防施設工事業の建設業許可業者数は一進一退を繰り返しています。

29業種中、建設業許可業者数が減少しているのは、消防施設工事業を含めて7業種のみです。

完成工事高の推移等

国土交通省の建設工事施工統計調査報告によると、鉄骨工事の元請の完成工事高は、以下のように推移しています。

※単位:百万円

総数民間工事シェア公共工事シェア
令和1年度75,98260,81880.0%15,16420.0%
平成30年度70,82655,97579.0%14,85121.0%
平成29年度49,01937,08075.6%11,93824.4%

消防施設工事業の元請完成工事高は1,000億円未満です。

消防施設工事業における元請の完成工事高も、他業種と比べて大きい金額ではありません。

民間工事と公共工事の割合については、民間工事が8割近くあります。

消防施設工事業における公共工事のウエイト(比重)は小さいです。

ここ3年間における、公共工事の完成工事高の年ごとのバラつきも小さいです。

消防施設工事業の公共工事は、比較的安定して仕事があると言えそうです。

完成工事高と、消防施設工事業の許可

消防施設工事業の公共工事を直接受注するには、実質的に建設業許可が必須です。

公共工事自体は少ないため、消防施設工事業における建設業許可の必要性も乏しいと考えられます。

民間工事に置いても1件当たりの請負金額が500万円以上の消防施設工事業であれば、建設業許可は必要です。

消防施設工事業の受注単価は高くないと考えられます。

或いは、「建設工事の区分の考え方」にも示されているように、他の「電気工事」や「機械器具設置工事」の附帯工事の扱いで、少額の工事が行われている事も考えられます。

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